日本周辺のオカガニ科の分布
独自に調査したわけではなく別に情報源があるのをまとめているだけなので、ちゃんと知りたい人は1次情報に当たるようにお願いします。
日本産オカガニ
現在7属とされているオカガニ科のうち4属が日本で見つかっています。
Tuerkayanaはごく最近分類が変わってできた属です。オカガニ(Tuerkayana hirtipes)は以前はCardisomaに入っていました。
ヒメオカガニ属は参考にした書籍だと全2種とも日本産のようです。Epigrapsus notatusとEpigrapsus villosusはシノニム*1とされています。
海外産
- Discoplax
- Gecarcinus:中米近辺
- Johngarthia
Gecarcinusはハロウィンクラブの名前で流通している種がいてムラサキオカガニと顔つきが似ています。近縁なのでしょうか。
地図
緑書房の「日本産 淡水性・汽水性エビ・カニ図鑑」に準拠。同書でミナミオカガニの本州記録は無効分散と推測されていたのでカウントしていませんが、ヘリトリオカガニについてはそうではなかったので分布地としました。
しかしこの並びで和歌山は飛び地すぎるので無効ではないのか?というのと、八丈島で本当に記録がないのかが気になるところです。和歌山県串本町といえばエビカニ水族館ですね。ヘリトリオカガニの串本での記録は串本海中公園センターの売店内で採集されたものだそうです。どういうこと。
また、大東諸島については琉球諸島に含まれるのかが曖昧なのとはっきりした記述のある資料があまり見つからなかったので記載しませんでした。ヘリトリオカガニは大東諸島で記録があるそうです。
洞窟を好む?ヘリトリオカガニ
ヘリトリオカガニの分布について「海岸近くの洞窟に生息する」とあり、それについてざっと調べたのですが、地下水系でヘリトリオカガニの採集がされる時には別のオカガニも記録されていて、ヘリトリオカガニが特に洞窟を好むのかどうかはよくわかりませんでした。
ミナミオカガニやオカガニについては「海岸から数km離れた場所で発見されることもある」という記述がよく見られるので、道路などには出てこないということなのかもしれません。
情報求む。
参考
- 宮古島のオカガニ類:http://w3.u-ryukyu.ac.jp/naruse/lab/2016E_files/FR33-2_Maenosono.pdf
- 串本海中公園マリンパビリオン:http://www.kushimoto.co.jp/marinepavilion/data/43-5.pdf
- 多良間島の洞穴性および陸性十脚甲殻類:https://www.city.miyakojima.lg.jp/soshiki/kyouiku/syougaigakusyu/hakubutsukan/files/kiyou12-04.pdf
- 緑書房 日本産 淡水性・汽水性エビ・カニ図鑑
- Review of grapsoid families for the establishment of a new family for Leptograpsodes Montgomery, 1931, and a new genus of Gecarcinidae H. Milne Edwards, 1837 (Crustacea, Decapoda, Brachyura, Grapsoidea MacLeay, 1838)
*1:同種の別名